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熊田 政弘; T.T.Vandergraaf*
放射性廃棄物研究連絡会論文集 (VI), 10 Pages, 1991/06
カナダ原子力公社との協力研究により、ホワイトシェル研究所の地下研究施設(URL)の地下240mレベルに専用の実験室を開設し、破砕帯中の地下水と岩石試料とを用いて、深地層条件下における花崗岩中核種移行実験を行った。ヨウ素、テクネチウム及びアクチニド核種(Np,Pu,Am)を使った実験のうち、Tcのカラム実験では、地下水中のテクネチウムがTc(VII)からTc(IV)に還元されてカラム内に強く収着することが分かった。これは酸化性条件下における吸着実験結果から予測されなかったもので、URLに設置した本実験システムが原位置の地球化学的条件を良く反映したものであることを確認した。
稲垣 八穂広*; 馬場 恒孝; 松本 征一郎; 森川 公私*; 村岡 進; 田代 晋吾; 古屋 廣高*
JAERI-M 90-225, 14 Pages, 1990/12
アクチニド核種をドープし、内部の線照射した廃棄物ガラス固化体について、200~500Cの温度範囲で照射後焼鈍を行い焼鈍による固化体の密度変化挙動を調べた。等時焼鈍の結果、450C以下の温度では密度は焼鈍温度と共に増加した(最大0.25%)。一方、450C以上ではガラス転移温度域に近づいたことにより焼鈍前に比べて密度は大きく減少した。また、等温焼鈍の結果、450C以下のどの温度においても焼鈍初期の5時間以内で密度が急激に増加し、その後各温度に対応した平衡密度に近づく傾向が観察された。これらの実験結果を解釈するために固化体中でのヘリウムバブルの形成、成長及び照射によるガラスネットワークの歪の回復を基にしたモデルを考案し、その計算結果と実験結果を比較検討した。
大槻 勤*; 浜島 靖典*; 末木 啓介*; 中原 弘道*; 永目 諭一郎; 篠原 伸夫; 池添 博
Physical Review C, 40(5), p.2144 - 2153, 1989/11
被引用回数:34 パーセンタイル:86.56(Physics, Nuclear)種々のアクチニド核の低エネルギー陽子誘起核分裂における質量収率曲線を調べた。質量収率曲線の重い質量領域の非対称分裂ピークの半値巾は、核分裂の質量数と共に増加していくことがわかった。しかし、核分裂核の質量数240~250近辺で、この半値巾は急激に減少する傾向が見られた。この非対称分裂ピークは、2つのガウス関数でよく再現でき、各々のピークは、質量数133~135と140~142に位置していた。このガウス関数の巾と上記非対称分裂ピークの半値巾との関係はよく一致していた。これは、核分裂生成物の殻効果が、質量分割に大きく影響していることを示唆していた。
田坂 完二; 菊池 康之; 新藤 隆一; 吉田 弘幸
Journal of Nuclear Science and Technology, 14(7), p.519 - 531, 1977/07
被引用回数:1百万KW電気出力規模のBWR、PWR、HWR、HTGR、LMFBRを対象に、低濃縮ウラン酸化物燃料あるいはPu混合酸化物燃料を利用した場合の各炉1基毎の(1)炉内における各アクチニド核種の生成量、(2)使用済燃料中のアクチニド核種の放射能の冷却挙動、(3)再処理後の各アクチニド核種の放射能の冷却挙動、(4)長時間照射によるPuの組成変化、を解析した。検討の結果、ウラン資源の有効利用の面からも、生成放射能を低くおさえて再処理と高濃度放射性廃棄物の処理を容易にするためにも;熱中性子炉ではウランを燃料とし;生成したPuは高速炉で使用するのが望ましく;さらに高速炉ブランケットで生成したPuを燃料とする高速炉の比率を増して行くことが望ましいことが分った。